1サムエル13章 ご自分の民の君主に任命して

1サム13:14「今は、あなたの王国は立たない。主はご自分の心にかなう人を求め、主はその人をご自分の民の君主に任命しておられる。あなたが、主の命じられたことを守らなかったからだ」
文脈からすると7日目の終わりにしびれを切らしたサウルが、自ら全焼のいけにえを捧げた直後にサムエルが現れたことになっています(10)。するとまだ7日目は終わっておらず、サウルがあと数時間だけ待つ忍耐があれば、サムエルと約束の時間内に会うことができたはずです。ほんの1-2時間のためにサウルは王の座を追われる形になりました。それどころか、主はほかの御心にかなう人を見つけ、次の王に任命が決まっていると言われるのです(14)。「任命しておられる」の英語訳は「has appointed」で、すでにその行為は済んでいる意味になっています。サウルが30歳で王になったと訳しているのは新改訳と口語訳だけで、2017年訳では「ある年齢で」とぼかした訳になっています。また12年、つまり42歳という数字も使徒に40年という数字が書かれていますが(使13:21)、マソラ本文などには使われていません。しかし、息子ヨナタンが道具持ちとともに戦う記述を見る限り、すくなくとも彼の年齢は10代後半の青年のような気がします(14:12-15)。そうするとヨナタンの父サウルは30よりはもう少し年上だったのかもしれません。サムエルをもう少し待つ忍耐力を持てるには十分な年齢でなかった可能性があります。主は忍耐力があるかいつもご覧になっています。