詩篇59篇 どうか目をさまして

詩59:4「私には、咎がないのに、彼らは走り回り、身を構えているのです。どうか目をさまして、私を助けてください。どうか、見てください」
表題にあるように、ダビデがサウルによって家を見張られていたのは、まだミカルと一緒に暮らしていたころのことです(1サム19:11)。サウルから主の霊が離れ、変わってわざわいの霊がサウルを悩ませました(1サム16:14)。ダビデが油そそがれたとは知らないサウルは、ひたすらにわざわいの霊におびえる毎日で、それをダビデが琴を弾いて慰めていたと書かれています(1サム16:23)。サウルの息子ヨナタンも娘ミカルもダビデの味方でした。それもサウルの癇に障ったのでしょう。サウルは王なのに孤独を味わい、おまけに主のわざわいの霊が彼を悩ます 始末です(1サム16:15)。ダビデの人気が上がるほどにサウルのダビデに対する嫉妬は次第に殺意に変わっていきました(1サム19:10)。「目をさまして」は神に対して失礼な言い方ですが、それほど切羽詰まっていたダビデの様子が伺い知れます。ダビデは一貫して「油そそがれた」者をさばこうとはしませんでした。それは主の権威を侮ることだと知っていたからです(1サム26:9)。