詩篇130篇 あなたを呼び求めます

詩130:1「主よ。深い淵から、私はあなたを呼び求めます」
この詩は7つある「悔い改めの詩篇」の1つです。「呼び求めます」のヘブル語「qara(カラー)」は、一般的な「呼ぶ」という意味があります。聖書の中で主を呼ぶことは頻繁にあり、この単語だけでも聖書内に735回使われています。いったいどこから主を呼んだのかというと「深い淵」とあります。ヘブル語では「maamaq(マアマキー)」という単語が使われ、詩篇では僅かに3回のみ登場する珍しい単語です。「深さ」とか「奥底」という意味があり、この単語単体ではどこなのかは限定できません。人生のどん底の意味なのか、実際に深い闇のある黄泉なのかはわかりませんが、歌い手がどうにも行き詰ってしまった様子がわかります。自分には不義があり(3)、いま赦されることを切に願っています(5)。そしてこの詩の最後は「贖い出される(8)」で終わっています。ヘブル語では「padah(パダー)」が使われ、「救う」「贖う」という意味があります。「呼び求める」から始まった詩が「贖い出される」で終わっているのは、歌い手の主への確信の現れではないでしょうか。