詩篇128篇 エルサレムの繁栄を見よ

詩128:5「主はシオンからあなたを祝福される。あなたは、いのちの日の限り、エルサレムの繁栄を見よ」
この詩が都上りの歌だとされているのは、エルサレムへこれから帰還するような描き方がされているからです。詩篇は最初から150の詩が編纂されており、並び方もすでに決まっており全5巻が完成していました。5という数字はモーセ5書を意識して分けられたとする学者もいます。1947年に最初に発見された死海文書の中にイザヤ書などと一緒に詩篇も発見されています。そして、詩篇の配列はそれまでの写本とたがわずに同じだったと言われています。「幸いなことよ(1)」は詩篇の1篇の書き出しと同じヘブル語「eshar(エシャー)」が使われています。内容も「主を恐れ、主の道を歩む者(1)」に対して、詩篇1篇では「悪者のはかりごとに歩まず、罪人の道に立たず、あざける者の座に着かなかった、その人(1:1)」となりよく似ている気がします。違っているのはエルサレムが祝福され、元通りに戻されることが書かれていることです。そして最後には「あなたの子らの子たちを見よ(6)」とあります。原文の直訳では「あなたの子の子たちが見れるまで生きながらえますように」とも訳せます。口語訳では「あなたの子らの子を見るであろう」となっています。これから帰還するであろうエルサレムを思う歌い手の切望が感じられます。