詩篇143篇 行くべき道を知らせてください

詩143:8「朝にあなたの恵みを聞かせてください。私はあなたに信頼していますから。私に行くべき道を知らせてください。私のたましいはあなたを仰いでいますから」
これがダビデの人生で、何度目の敵対するものから救いを願った祈りなのかはわかりません。もし、ダビデが過去に主に信頼し、祈りに応えられる経験がなければ、このように主に祈ることもないでしょう。ダビデの人生の中では何度も主に尋ね、主が応えられる経験を過ごしてきたのだと思います。聖書の中での大きな出来事はサウルとアブシャロムとの確執ではないでしょうか。サウルはダビデの仕える王でしたが、ダビデの成功を妬んでいました(1サム18:29)。アブシャロムはダビデの息子でしたが、王座をめぐってダビデと争いました(2サム15:31)。「あなたのしもべをさばきにかけないでください(2)」の「しもべ」はアブシャロムを指しているようにも聞こえます。詩の中では「私は昔の日々を思い出し、あなたのなさったすべてのことに思いを巡らし(5)」とあり、やはり神とダビデとの間に何度も祈り求め、応えられることがあったことがわかります。ここでは「早く私に答えてください。私の霊は滅びてしまいます(7)」と切迫した様子が垣間見えます。ダビデでも「行くべき道(8)」がわからず、主に示してもらわなければならないのです。どんなに神と交わり聖書を読んだとしても、すべての答えがわかるわけではありません。その都度神に求めなければ道を誤ってしまうのです。