詩篇142篇 私を迫害する者から

詩142:6「私の叫びに耳を留めてください。私はひどく、おとしめられていますから。どうか、私を迫害する者から救い出してください。彼らは私よりも強いのです」
この祈りがあったからかどうかはわかりませんが、ダビデは洞窟の中でサウル王と間近に遭遇します(1サム24:3)。まさしくダビデを迫害する者が、ほんの数メートルのところにいるのです。聖書にはサウルは用をたすためだったと書かれているので(1サム24:3)、サウルは無防備です。もし、隙をついて背後から襲うなら、サウルをとらえることも、殺害することもできたでしょう。ダビデの祈りの中には「私を顧みる者もなく、私の逃げる所もなくなり、私のたましいに気を配る者もいません(4)」とあり、追い詰められている様子がわかります。誰も助けてくれず、逃げ場も失うなら、困り果てて、座り込んでしまうかもしれません。詩篇の中には洞窟の中での詞が57篇にもあります。同じダビデで洞窟の詞ですが、57篇のほうは力強く、神への感謝と賛美が中心となっています。ダビデが洞窟に入り142篇の祈りをした後に、サウル王との遭遇があり、サウル王が去って行き(1サム24:22)、その直後に57篇を歌ったのではないでしょうか。ちょっと飛躍しているかもしれませんが、ダビデが洞窟にいた記述は2回しかなく(1サム22,1サム24)、最初のアドラムのほら穴では多くの人が集まったとあるので、142篇の情景とちょっと違う気がします。