詩篇59篇 私の罪のためでもありません

詩59:3「今や、彼らは私のいのちを取ろうと、待ち伏せています。力ある者どもが、私に襲いかかろうとしています。主よ。それは私のそむきの罪のためでもなく、私の罪のためでもありません」
「私を救い出してください(2)」と祈ったダビデの祈りは、妻ミカルの助けで実現しました(1サム19:12)。ダビデにはサウルに対する何の落ち度もありませんでした。彼のやったことといえば、ペリシテと戦い大損害を与えたことです(1サム19:8)。しかも聖書には、このきっかけとなったサウルの怒りは主の霊がサウルに臨んだことで起きたと書かれています(1サム19:9)。ダビデがミカルの待つ家に帰ると、サウルの使者たちが家を取り囲み、じっとダビデの様子を伺っています。家の中にはサウルの娘ミカルもいるので、うかつに踏み込むこともできません。サムエル記には「朝になって彼を殺そうとした(1サム19:11)」とあります。すぐに踏み込まないとわかったダビデは、まず主に祈りました。そのときの詩がこの59篇です。ダビデの目には包囲しているサウルたちがまるで、食を求める犬のように見えたようです(14-15)。うろつき回り、うなり声をあげ、野犬さながらの様子が歌われています。やがてしびれを切らしたサウルが「寝床のまま、わたしのところに連れて来い(1サム19:15)」と命じます。そのときにはダビデの祈りを聞かれた主のおかげで、ダビデはすでに逃げた後でした。このようなときでも主にほめ歌を歌ったダビデの信仰を見習いたいものです。