2サムエル6章 心の中で彼をさげすんだ

2サム6:16「主の箱はダビデの町に入った。サウルの娘ミカルは窓から見おろし、ダビデ王が主の前ではねたり踊ったりしているのを見て、心の中で彼をさげすんだ」
なぜミカルはダビデをさげすまなければならなかったのでしょう。ダビデイスラエルの全家は、歓声をあげ、角笛を鳴らして主の箱を運び上った、とあります(15)。契約の箱は主を象徴するものだと誰もが考え、あのモーセの時代からある雲の柱、火の柱(出13:22)、マナなど民を不思議な力で導く力があると信じていました。契約の箱が至聖所から運び出された理由も、そういった民の考えから出たものです。箱が幕屋から出た経緯は、ペリシテと戦う際に主の箱があれば何か不思議な力でペリシテを負かすことができるだろう、という安直な考えからでした(1サム4:3)。そういった歴史の背景をミカルが知らないわけでもなかったでしょう。しかし、彼女には自分の夫ダビデが王として威厳のある姿を期待していました(20)。それは少なからずとも、父サウルの王の態度に影響を受けていたものと思われます。彼女には神が見えていませんでした。彼女の目に映ったのは、裸で踊る自分の夫の姿です(14)。帰って来たダビデに「ごろつき」呼ばわりをし、家来の前で裸になったことを皮肉ったのです(20)。主とダビデの関係はミカルの思いも及ばないほどのもので、ダビデは自分は主の前でもっと卑しめられると宣言しています(22)。