エベデ・メレク

エレ39:16「行って、クシュ人エベデ・メレクに話して言え。『イスラエルの神、万軍の主は、こう仰せられる。見よ。わたしはこの町にわたしのことばを実現する。幸いのためではなく、わざわいのためだ。それらは、その日、あなたの前で起こる」
エベデ・メレクは宦官だとあります(38:7)。どういう経緯かはわかりませんが、ユダ国の王に仕える者の中にクシュ人がいたのです。クシュはエジプトの下アフリカの北西部にあったとされ、シナイ半島をはさんでユダ国との距離も近かったと言われています。それゆえ、エジプトとの同盟関係にあったこともあり(2歴12:3)、アサ王の時代にはユダ国を侵略しようとする国として登場しています(2歴14:9-13)。クシュの皮膚の色が預言で語ら れていることから、黒人の国家だったと推測できます(13:23)。エベデ・メレクは宮廷に仕える者でしたが、エレミヤを擁護し、エレミヤが貯水槽に投げ込まれたときは、王に嘆願してエレミヤを救ったことが書かれています(38:7-12)。イエス様は「あなたがたに反対しない者は、あなたがたの味方です(ルカ9:50) 」と言われましたが、エベデ・メレクはまさしくそのような者でした。エレミヤの語った預言を信じ、彼を大切な主の遣わした預言者だと認めたために、主から剣によって倒れないと宣告されました(18)。主に信頼した者に対する主の思いやりが感じられます。