エレミヤ41章 死体を投げ入れた穴

エレ41:9「イシュマエルが打ち殺した、ゲダルヤの指揮下の人たちのすべての死体を投げ入れた穴は、アサ王がイスラエルの王バシャを恐れて作ったものであった。ネタヌヤの子イシュマエルはそれを、殺された者で満たした」
ユダのアサ王とイスラエルのバシャ王との間には、生きているあいだ争いがあったと書かれています(1王15:16)。バシャはアサのもとに誰も来れないようにラマを築いて、往来を邪魔しました(1王15:17)。一方、アサはもともとバシャが同盟を結んでいたアラム王ベン・ハダテに金銀を渡し、強引にユダとの同盟に変更させています(1王15:18-20)。この同盟破棄がきっかけで、バシャが築こうとしたラマは工事途中で逃げ出し、アサはバシャの残した石材や木材でミツパを立てています(1王15:21-22。ゲダルヤはミツパにいたとあるので、ユダとイスラエルの間にあるバシャが作ろうとしたラマの跡地で大きな窪地の近くにいたことになります。この窪地は相当に大きく「穴」と呼ばれていたので、ここを満たすだけの死体と聞くだけで、おそらく当時の人はどれだけの人数だったか想像できたのだと思います。イシュマエルはバビロンの任命したゲダルヤが気に入らず、彼を殺してしまいます(2)。ヨハナンはこの行為がバビロンへの反逆だと思われないかと、ユダに残った人をエジプトに避難させようとしました(18)。結局、その中にエレミヤがいて、エジプト行きを反対することになるのです(42:19)。