エレミヤ41章 死体を投げ入れた穴

エレ41:9「イシュマエルが打ち殺した、ゲダルヤの指揮下の人たちのすべての死体を投げ入れた穴は、アサ王がイスラエルの王バシャを恐れて作ったものであった。ネタヌヤの子イシュマエルはそれを、殺された者で満たした」
アサ王もバシャ王もBC900年ごろの王たちです。バビロン捕囚がBC586年と言われているので、300年以上も前の穴に死体を投げ入れたことになります。日本で300年前なら、徳川幕府の時代で、1719年は徳川吉宗が将軍で享保の改革の最中です。アサ王は主の目にかなった王でしたが(1王15:11)、バシャはヤロブアムの息子を暗殺し、ヤロブアム家を根絶やしにしています(1王15:29)。互いに争いが絶えず(1王15:16)、バシャはラマ(丘)を築きユダへの往来を邪魔し(1王15:17)、アサはバシャの作ったラマを崩してミツパを建てています(1王15:22)。ユダとイスラエルの間にはアサ王の時代から深い溝が作られ、互いに行き来できないようにしていたようで、イシュマエルはこの穴を死体で埋め尽くしたのです。この表現はおそらくゲダルヤに従った人が多くいたことを表すもので、具体的な人数を示すより、穴を満たすほど死体があったと言ったほうが、ユダヤ人には理解しやすかったからだと思われます。イシュマエルがとりこにした民は、援軍ヨハナンを見て喜びます(13)。民の上に立つ者が嫌われてはどうしようもありません。