エレミヤ46章 あなたを滅ぼし尽くさない

エレ46:28「わたしのしもべヤコブよ。恐れるな。――主の御告げ――わたしがあなたとともにいるからだ。わたしは、あなたを追いやった先のすべての国々を滅ぼし尽くすからだ。わたしはあなたを滅ぼし尽くさない。公義によって、あなたを懲らしめ、あなたを罰せずにおくことは決してないが」
エレミヤに与えられた主のことばは、イスラエルの民を滅ぼすというものではなく、罰するためのものでした。目的は、しばらく厳しい環境で、いかに神がイスラエルとユダを愛しておられたかを知らしめるためです。主の選ばれた道はバビロンに行くことでした。ユダに残ることは死を意味し、エジプトへ行くことも却下されています(42:15-17)。バビロンに捕らえられ、その地に行くことはユダが降伏し、恥辱にみちた扱いを受けることを示しています。しかし、主は「バビロンの王に仕えて生きよ(27:17)」と言われました。決してバビロンが主の目に正しく、ユダの国民が見捨てられたわけではありません。主は「わたしがあなたとともにいるからだ(28)」と励まし、バビロンの地でも主が助けてくださることを約束されています。しかも、行った先々の国はやがて主の手によって滅ぼされることが語られています。バビロンはペルシャのクロス2世によって(BC539年)、ペルシャアレキサンダー大王によって滅ぼされました(BC330年)。その間に、主の言われた70年が満ち(25:11)、ユダヤ人たちはエルサレムに戻り神殿を再建しています(エズラ、ネヘミヤ)。罰する時間が過ぎたなら、再び主の律法のもとで生活が始まるのです。