エレミヤ45章 ネリヤの子バルク

エレ45:1「ネリヤの子バルクが、ヨシヤの子、ユダの王エホヤキムの第四年に、エレミヤの口述によってこれらのことばを書物に書いたときに、預言者エレミヤが彼に語ったことばは、こうである」
エホヤキムの4年は、バビロンがエジプトを打ち破った年でもあります(BC605年)。エジプトに連れてこられたエレミヤたちがどのように戦火から免れたかはわかりませんが、相当に劣悪な環境だったと思われます。彼の洩らした「ああ、哀れなこの私。主は私の痛みに悲しみを加えられた。私は嘆きで疲れ果て、いこいもない(3)」という不平には、エレミヤの書記として行動をともにする難しさが表れています。このバルクの言葉が主に届いたようで、主からは慰めのことばをもらっています。それは、バルクが考えるようにユダの国の救いがすぐ来るようには神は動かないが、そのかわりすべての肉なる者にわざわいを下すというものでした(5)。さらに、エレミヤの口述書記としての功労を評して、バルク自身のいのちを保証されたのです(5)。バルクが最初に登場するのは、エレミヤの親戚から土地を買ったときに購入証書を保管する役目だったときです(32:12)。このときから、すでにエレミヤの書記として行動をともにしていたことがわかります。エレミヤに付き従い、王たちに常に否定的な預言を繰り返すのを目撃したバルクも、現実が次第に主のことば通りになるのを見て心が疲弊していたのだと思います。