1列王記21章 これらのことばを聞くとすぐ

1王21:27「アハブは、これらのことばを聞くとすぐ、自分の外套を裂き、身に荒布をまとい、断食をし、荒布を着て伏し、また、打ちしおれて歩いた」
アハブは元来それほどの悪人でもなさそうです。ナボテのぶどう畑を欲しがった際も、決して悪い条件でナボテと話したわけではありません(2)。アハブはベン・ハダテがいのち乞いをしたときにも、腰に荒布を巻き、首に縄をかけているのを見て「私の兄弟だ(1王20:32)」と言い、彼を許しています。アハブの子どものような、幼稚な性格と、イゼベルの言いなりになっていたことがアハブをどんどん悪い方向へいざなっていったのです。再びエリヤがナボテのことでやってきたとき、エリヤのアハブに対する預言は以前にも増して厳しいものでした(19)。自分の血がナボテが死んだ場所で犬になめられる、と聞いて、かなり怖くなったようです。もともと根がまじめで、人の言うことに左右される性分だったのでしょう。エリヤの預言はかなりこたえたのだと思います。外套を裂き、身に荒布をまとい、断食をし、荒布を着て伏すというのは(27)、イスラエルの中で悲しいことやひどい目にあったときに取る、悔い改めるための風習です。アハブはイゼベルに焚きつけられて、異教の神を拝み、かつていなかったほどの悪を主の前で行ってしまいました(25)。ただ、へりくだる様子を見た主は、彼の生きているあいだわざわいを下さないと約束されました(29)。