2列王記14章 勝敗を決めようではないか

2王14:8「そのとき、アマツヤは、エフーの子エホアハズの子、イスラエルの王ヨアシュに、使者を送って言った。「さあ、勝敗を決めようではないか」」
マツヤは、自分の父を暗殺した家来を殺しましたが(5)、その息子たちは助けています(6)。その後エドム人1万人を打って、勢いづいたアマツヤは、イスラエルに戦いを挑みます。ヨアシュとしては、アマツヤの攻撃など笑止千万という感じで、「あざみの分際で、レバノン杉の豊かな宝物を欲しがるのか」と言い、エドムを破ったぐらいで高ぶるなと忠告しています(9-10)。結果、ヨアシュは完全にユダ軍を打ち負かし、エルサレムの城壁を壊し、金、銀を奪いました(13-14)。この敗北でユダの財政は傾き、アマツヤ暗殺の原因となります。戦争は勝って、戦利品、賠償などを引き出せなければ意味がありません。第一次世界大戦で敗北したドイツは、膨大な賠償金でスーパーインフレを引き起こし、国民の不満がナチス台頭へとつながりました。アマツヤエドムから奪い取った戦利品と、イスラエルのヨアシュに奪われた財宝を比べるなら、はるかにヨアシュが奪っていたほうが多かったのです。財政破綻は反乱や一揆を呼び起こしやすいものです。ユダの国民もアマツヤの無謀なイスラエル攻撃を看過できませんでした。それでも暗殺されたアマツヤは、ダビデの町に先祖とともに葬られたとあります(20)。ユダ国民の頭の中には、ダビデの子孫からダビデのような勇士が現れると信じていたからです。