ルカ6章 自分も量り返してもらうからです

ルカ6:38「与えなさい。そうすれば、自分も与えられます。人々は量りをよくして、押しつけ、揺すり入れ、あふれるまでにして、ふところに入れてくれるでしょう。あなたがたは、人を量る量りで、自分も量り返してもらうからです」
律法では「大小異なる枡を持っていてはならない(申25:14)」とあり、量る基準を変えて量ることが禁じられています。現在使われている「リットル法」は、1793年にフランスの議会が提案したものをそのまま使っているものです。その定義は1000立方センチメートルの体積を基準にしています。メートル法も18世紀のフランスで制定されており、大体フランス革命前後にこれらの長さ、容量の世界基準が決められたことになります。そうすると、それ以前の歴史では多くの異なったはかりが使われ、混乱と争いが絶えなかったと思います。江戸時代末期には、日米修好通商条約の取り決めで、日本とアメリカが外貨交換をした事例があります。その中でアメリカは日本の小判に焦点を絞り、両替を3回繰り返すことで日本の小判が相当数外国に流出してしまいました。相手が弱い立場だからといって欲を出して儲けることより、自分は損をしても与える精神があるなら、イエス様の言われるようにやがて人々は自分が使っている量りで、自分も量り返してもらえるでしょう。しかも、詰め込んだり、揺すって入れたり、盛り上げたりして(38)、自分が与えた以上のものを返してくれるのです。ただし、見返りを求めて与えるのでなく、惜しみなく心から与えればの話です(2コリ9:11)。