ルカ7章 あなたの罪は赦されています

ルカ7:48「そして女に、「あなたの罪は赦されています」と言われた」
罪が赦されるというテーマは福音書の中でも大きなもので、ユダヤ人たちは羊、牛、小鳩などをいけにえにすることで、神と罪過の精算をしたことになっていました。しかし、イエス様はそのようなモーセの律法を乗り越えて、「あなたの罪は赦されています」と言われたのです。パリサイ人にとっては、いけにえも捧げないでなぜ罪が赦されるのだろうかと不思議がります。もし、罪が赦されるのであれば、それは神ご自身の権威のもとで赦されるはずです。罪が赦される事例は、これで二度目です。最初は、中風をわずらう人を友人たちが天井から吊り下ろしたときです(5:17-20)。ここでは涙でイエス様の足をぬぐい、髪の毛で足を拭く女は「罪深い者」だと書かれています(39)。おそらく売春婦だろうと想像しますが、彼女だけがイエス様の足をぬらし、涙で拭きました。イエス様はこの女はよけいに愛したのだと言われます(46)。それは50デナリと500デナリを借りた者が借金がチャラになったとき、より多く赦されたほうが多く愛するようになるたとえに象徴されます(41-42)。「愛する」のギリシャ語は「agapao(アガパオ)」です。女はイエス様に何か見返りを求めることなく、無条件でこの行為をしたのです。