ルカ21章 積まれたまま残ることのない

ルカ21:6「あなたがたの見ているこれらの物について言えば、石がくずされずに積まれたまま残ることのない日がやって来ます」
共観福音書の3つの福音書のすべてに「小黙示録」と呼ばれる、イエス様が語る終わりの時代の話が記載されています(マタ24章、マコ13章)。どれもヘロデが改築を進めていた神殿の荘厳さに弟子たちが驚嘆することから始まっています。マタイではイエス様は弟子たちの様子を見て「このすべての物に目をみはっているのでしょう(マタ24:2)」と言われ、マルコでは弟子たちの言葉で「先生。これはまあ、何とみごとな石でしょう。何とすばらしい建物でしょう(マコ13:1)」と言っています。エドム人だったヘロデ王は、ユダヤの王になりたくユダヤ人との結婚で自分が王になる資格があるように見せかけていました。しかし、ユダヤ人からは評判が悪く、ヘロデはユダヤ人の人気を獲得しようと、彼らの最も心の拠り所にしている神殿をきれいに直すことにしたのです。イエス様の時代には、改築から46年も経過しており、主要な部分はほぼ完成していたと思われます(ヨハ2:20)。しかし、どんなに金をかぶせ、りっぱな神殿であろうとも、建築物が人を救ったり、罪を赦したりすることはありません。イエス様はりっぱな神殿であれば、神ともっと交じわえるという考えに釘を刺したのです。どんなにすばらしい神殿でもやがて朽ちていきます。