創世記16章 自分の女主人を見下げるようになった

創16:4「彼はハガルのところに入った。そして彼女はみごもった。彼女は自分がみごもったのを知って、自分の女主人を見下げるようになった」

サラが美しいのは、夫アブラハムの認めるところです。エジプトに下ったときには、サラが65歳であったにもかかわらず(12:4)、エジプトの誰もが彼女を美しいと感じていました(12:14)。女性なら羨望のまとになるほどの美貌のサラですが、その性格はどうだったのでしょうか。サラ自身が身ごもれないことを知り、女奴隷のハガルをアブラハムにあてがっています(2)。このことは夫アブラハムへの忠誠と自分が責任を果たせない罪悪感から来たものだと思われます。聖書はハガルの外見には触れていませんが、サラと比べるならそれほど美しくなかったのではないでしょうか。美貌も立場も劣るハガルが、一発逆転できるのはアブラハムの跡継ぎを身ごもることです。日本の江戸時代にも大奥では、跡継ぎを身ごもることで次期将軍の母となり、身分が大きく変わっていました。この件ではハガルにも非がありました。それゆえに、荒野で主の使いと出会ったとき「身を低くしなさい(9)」と忠告を受けるのです。一方、サラのほうはせっかくできたアブラハムの跡継ぎにも関わらず、ハガルをいじめて逃してしまっています(6)。結局、生まれてくるイシュマエルも幼いイサクをからかい、二人の遺恨は自分たちの子どもにまで及んでいます(21:9)。