エペソ6章 主は人を差別されることがない

エペ6:9「主人たちよ。あなたがたも、奴隷に対して同じようにふるまいなさい。おどすことはやめなさい。あなたがたは、彼らとあなたがたとの主が天におられ、主は人を差別されることがないことを知っているのですから」
世界の歴史の中で「主人」という立場で多くの虐待が奴隷に対して行われてきました。現代でもアフリカや中近東の一部では奴隷制度が残っています。聖書では創世記にすでにエジプトには奴隷がいたとあり(創12:16)、アラブ人の祖先となったイシュマエルの母ハガルは、エジプトの女奴隷としてサラに仕えていました(創16:1)。奴隷はヘブル語「shiphchah(シプハアー)」が一般的に使われており、新約のギリシャ語では「doulos(デュラス)」がよく使われています。新旧両方の聖書に「奴隷」という言葉が使われているということは、創世記からイエス様の時代にまで、絶えることなく続いた制度だとわかります。しかし、パウロは奴隷の主人に「主は人を差別されることがない(9)」とはっきり明言しています。立場が強い方は高慢になり、弱い人に対して無理難題を言い勝ちですが、パウロは主の平等さを説いています。また奴隷と言えども仕える態度を忘れてはならないとも書いています(5-6)。聖書ではキリストの十字架は人々を罪の奴隷から解放されることが書かれ(ロマ6:6)、私たちは御霊に従う者へと変えられるのです(ロマ8:5)。