ヨブ記32章 神よりもむしろ自分自身を義とした

ヨブ32:2「すると、ラム族のブズ人、バラクエルの子エリフが怒りを燃やした。彼がヨブに向かって怒りを燃やしたのは、ヨブが神よりもむしろ自分自身を義としたからである」

ここでエリフがさっそうと登場し、格好良くこの場を収めることができたのでしょうか。エリフはこれから神が登場する38章まで喋り続けます。そのときに神はエリフには一言も触れていません。ただ、ヨブ記がヨブと3人のやりとりで黙ってしまったときに神が現れたのでは、彼らの話し合った内容がどちらにも正しい様子で終わってしまいます。エリフは4人の話し合いの統括をして、さらに自分の意見を述べているのです。それはヨブが自分を正しくし(2)、残りの3人はそのヨブの正しさにきちんと反論ができていなかったからです(3)。おそらく自分ならば何とかヨブを説得し、ヨブにも過ちがあったことを認めさせることができるだろうと思ったのかもしれません。彼の話し方の勢いから、ヨブたちとエリフとでは相当に年齢差があったように思えます。年長者が必ずしも正しいわけでもなく、すべてに悟っているわけでもない、それならばエリフにも言わせてほしいとすごい剣幕です(7-11)。それはエリフにも誰をもひいきせず、誰にもへつらわないという真っ直ぐな性格が彼を支えていたからです(21-22)。自分にも神の霊は下り、その霊は張り裂けんばかりにヨブに意見をしているのだとエリフは言います(18-19)。