ヨブ記35章 あなたは神を見ることができないと言っている

ヨブ35:14「しかも、あなたは神を見ることができないと言っている。訴えは神の前にある。あなたは神を待て」

エリフは声を荒げて、ヨブと3人の友人に訴えています(4)。ヨブがどんなに自分に義があると言ったとしても(2)、神のために何か役に立っているのでしょうか(3)。エリフの考え方としては、神の前に正しくあったとしても、それが神に利益になることはないというものです(7)。正しいことを正しく行なったとしてもそれは当たり前のことで、神にとっては何かが変化するものでもありません。エリフのこの考え方は、間違ってはいませんが、少し極論すぎる気がします。なぜなら、ヨブ記の最初で神はサタンにヨブほど正しい者はいないと自慢されているからです。つまり、ヨブが正しくあることは、神の栄光を輝かせることに繋がり、まったく意味のないことではないのです。この世は正しくある者が義を行ない、神を恐れる態度を他の人が見たときに、人々は神の存在を知るようになります。エリフはヨブがただ知識もなく、大口を開けて自分の言い分を述べ立てているように見えたのかもしれませんが(16)、ヨブには充分に知識もあり、主を恐れる心もありました。ヨブ記の中でエリフの発言は6章にも及び、ヨブ記後半の重要な部分ですが、エリフは若く、彼の知る範囲での正義はまだ狭いのです。