民数記11章 きゅうりも、すいか、にら、たまねぎ、にんにく

民11:5「エジプトで、ただで魚を食べていたことを思い出す。きゅうりも、すいか、にら、たまねぎ、にんにくも」

ここでエジプトでの生活が垣間見えます。奴隷の身分であれほど苦役に嘆き(出6:5)、苦しみから解放されたがっていたのに、いざ荒野での生活を体験すると前のほうが良かったと不平をぶちまけるのです。どの世界でも同じですが、たとえ奴隷といえども食わずには仕事ができません。エジプト人はヘブル人とは食事をともにしないので(創43:32)、エジプト人の食べるものとは若干違っていたかもしれません。イスラエルの民は奴隷でいるあいだ、魚を食べられたようです。さらに、きゅうり、すいか、にら、玉ねぎ、にんにくと食材が続きます(5)。きゅうりもすいかも、水分を含み、また、にら、玉ねぎ、にんにくは、魚料理に使えばごちそうになります。これらは奴隷に無償で与えられていたようで、賃金がなく、苦役ではあったけれども、まあまあの食事が食べられたことがわかります。確かにマナは降ってきて、ある程度の味があり、飢えることはありませんでしたが、イスラエルの民は心の中でエジプトと比較してしまったのです。「エジプトのほうが良かった」と思うなら、神が出エジプトをさせたことが台無しになってしまいます。主はうずらを通じて、イスラエルの民の不満をいましめたのです(33)。