民数記34章 その終わりは塩の海である

民34:12「さらにその境界線は、ヨルダンに下り、その終わりは塩の海である。以上が周囲の境界線によるあなたがたの地である」

4000年以上も前から死海は「塩の海」として知られていました。聖書の記述には「アラバの海(申4:49)」というのもあり、このアラバ地方も死海近辺を指すものと思われます。通常、海の塩分濃度が3%前後に対して、死海の水は30%を超えています。これは1リットルの水に250グラムの塩を溶かしたのと同じ濃度になります。創世記で神の火によって滅ぼされたソドムは死海北部にあったのではないかという研究もあり、ロトの妻は塩の柱にされてしまったことから(創19:26)、この時代にすでに塩分の濃い状態にあったと考えられています。さらに、死海の北西部のヨルダン川のふもとにはクムラン地方があり、「死海写本」が発見されたことで有名になりました。死海より南はネゲブの砂漠が広がり、ここらの緯度は沖縄とほぼ同じで気温も暑いです。神が塩の海をイスラエルの境界の終わりにしたのも、これより南に下っても「乳と蜜」が流れる地とはイメージがかけ離れてしまうからではないでしょうか。約束の地は縦に細長く、山地なども含まれており、エフライム族は民の数が多かったので、くじで当てた地のほかに山地ももらっています(ヨシュ17:18)。この死海近辺はユダ族が割り当てられ、その中にシメオンが間借りするように所有地を得ています。