民数32章 あなたがたとともにヨルダンを渡り

民32:29「モーセは彼らに言った。「もし、ガド族とルベン族の戦いのために武装した者がみな、あなたがたとともにヨルダンを渡り、主の前に戦い、その地があなたがたの前に征服されたなら、あなたがたはギルアデの地を所有地として彼らに与えなさい」」

ガド族とルベン族の武装した者のみがヨルダン川を渡り、約束の地で敵と戦ったのです。あのエリコの城壁を破ったときはガドやルベン族は一緒にいたのでしょうか(ヨシュ5章)。結局、彼らはモーセに告げたように、残りの部族と一緒に戦い、その後ヨルダン川の東側に戻り放牧を中心とした生活を始めます。しかし、川を渡ってすぐに行くわけにもいかず、彼らにはモーセの幕屋がありません。罪のためのいけにえを捧げようにも距離がありすぎたのです。そのため、ヨルダン川の岸に大きな祭壇を築き、天幕の祭壇の代わりにしていました(ヨシュ22:11)。この行為が、主への反逆だと誤解され、一時は争いに発展する勢いでしたが、ガド、ルベン、マナセの半部族に主に反抗する意思がないことがわかり、争いにはなりませんでした(ヨシュ22:16-30)。このように、一緒にヨルダン川を渡らないことで不便がありましたが、それでも彼らの持っていた家畜はあまりにも多すぎたのです。これから未知の世界で、牧草の茂る土地が与えられるとは限りません。あるいは森林の多い山地が割り当てられるかもしれません。ガドとルベンはヨルダン川の手前に広がる牧草地こそ、自分たちの生活にふさわしいと思ったのです。