詩篇6篇 私のたましいを助け出してください

詩6:4「帰って来てください。主よ。私のたましいを助け出してください。あなたの恵みのゆえに、私をお救いください」

ダビデの基本的な姿勢は、自分ではさばかないことです。サウル王に追われたときも、ダビデには反撃できる力はあっても決してサウルと撃ち合いませんでした。それはサウルが「油そそがれた方」だと知っており(1サム24:6)、一度でも油がそそがれたのなら、たとえ失敗したとしても、主が全てをさばいてくださるとわかっていたからです。それは敵を攻撃するときも同じでした。ダビデは主に伺い、果たして攻撃するべきかどうかの判断を委ねました(1サム23:2、1サム30:8、2サム2:1、2サム5:23など)。あるとき、サウル家のひとりシムイがダビデが逃げているときに、後からついてきて「出て行け、出て行け。血まみれの男、よこしまな者(2サム16:7)」と呪ったことがありました。ダビデの実力からすると、シムイひとりを追い返したり、捕まえて口を封じることもできたでしょう。しかし、このときもダビデは主が背後で働いておられることを感じており、シムイの行動は主が命じられたためだと悟っていました(2サム16:10)。そして、ダビデの心を見た主が、シムイの呪いに変えて祝福をくださるだろうと言ったのです(2サム16:12)。このようなダビデの姿勢は、そのまま詩篇の中にも反映されています。