詩篇57篇 サウルからのがれて洞窟にいたときに

詩57:0「指揮者のために。「滅ぼすな」の調べに合わせて。ダビデのミクタム。ダビデがサウルからのがれて洞窟にいたときに」
ダビデがサウルにあと数センチまで近づき、サウルを打つことができたことが2回あります。最初は、エン・ゲディの荒野にいるときで(1サム24:1)、2回目はエシモンの東にあるハキラの丘のときです(1サム26:3)。エン・ゲディではダビデはほら穴に隠れており、サウルが用を足すために穴に入ってきました。ダビデはサウルの上着のすそを切り取って、サウルの命には危害を加えませんでした(1サム24:4)。それは「主に油そそがれた方に手をくだして、だれが無罪でおられよう(1サム26:9)」というダビデの信念からきています。この詩の内容からまだサウルと出くわせていないように思えます。「私は獅子の中にいます(4)」とサウルの軍勢がまわりにいることを知っていたようです。このとき「私の心はゆるぎません(7)」と2回繰り返しています。何を心に決心していたのでしょうか?その答えが油そそがれた方に手出しをしないという行為に現われているのだと思います。主をほめたたえる…でも、主に油そそがれた人を手にかけるのでは、主を賛美したのが嘘になってしまいます。ダビデが賛美したことは真実なことなのです。