申命記32章 ご自分の仇に復讐をなし

申32:43「諸国の民よ。御民のために喜び歌え。主が、ご自分のしもべの血のかたきを討ち、ご自分の仇に復讐をなし、ご自分の民の地の贖いをされるから」

主ご自身が復讐をなされるとあります。それは「復讐と報いとは、わたしのもの(35)」という御言葉の裏付けであり、神がなされる以上、人にはその権限はないのです。敵が誤解して「われわれの手でかったのだ(27)」と思い込むのは、敵でなくイスラエルの民にも同じことが言えます。もし、自分でさばきを下してしまうと、自分こそが正義だと勘違いしてしまうでしょう。いくら主の御名の下で天誅を下そうとも、相手を打ち叩いた自分には何の罪もないのでしょうか。イエス様の時代に姦淫の女がつかまりモーセの律法にしたがって石打にしようとしたことがありました(ヨハ8:3-4)。そのときにイエス様が言われたのは「あなたがたのうちで罪のない者が、最初に彼女に石をなげなさい(ヨハ8:7)」というものでした。結局誰一人として石を投げる者はおらず、姦淫の女だけがその場に残りました(ヨハ8:9)。本来なら、イエス様は石を投げる権限はありましたが、その女を許しました(ヨハ8:11)。主がかたきを討ち、主が報いを与えられるのです。それでも現実の生活では、意見を言わなければならないこともあるでしょう。黙って見過ごすことができないこともあるでしょう。それぞれの場面で聖霊は働き、心に答えを与えてくださるのだと思います。