ヘブル5章 訓練された人たちの物

ヘブ5:14「しかし、堅い食物はおとなの物であって、経験によって良い物と悪い物とを見分ける感覚を訓練された人たちの物です」
アダムとエバによって人類は善悪を知ることを強制的に覚えました(創3:7)。それは神が想定した時期よりかなり早かったのです。ヘブル書によれば、良い、悪いを判断するには経験が必要で、訓練されなければならないとあります。たとえ、年齢的には成熟した年齢であっても、善悪を知る感覚は子どものままな人もいます(12)。神のご計画としては、アダムとエバに徐々に経験を積ませ、よく訓練を受けたのちに善悪を知る木の実を食べさせるようにしたかったのだと思います。そして、正しく判断できるようになった上でいのちの木の実を食べさせようとしたのではないでしょうか。しかし、現実には私たちは、自分の判断で正しいことと誤ったことを決めてしまいそうになります。イエス様は「さばいてはいけません。さばかれないためです(マタ7:1)」と言われ、さばくことには代償が伴うことを示しておられます。姦淫の女が捕まり、石打ちの刑を実行しようとしたときに、イエス様は「罪のない者が、最初に女に石を投げなさい(ヨハ8:7)」と言われました。結局人を罪に定めることのできる人はいないのです。「復習と報いはとはわたしのもの(申32:35)」と言われた主の領域を、人間の分際で侵すことはできません。