申命記34章 その墓を知った者はいない

申34:6「主は彼をベテ・ペオルの近くのモアブの地の谷に葬られたが、今日に至るまで、その墓を知った者はいない」

モーセは主ご自身が葬られたことになっており、その墓は誰も知らないことになっています。聖書の偽典のなかに「モーセの昇天」というものがあり、葬られたモーセの遺体を昇天させるにあたり、ミカエルとサタンが会話している場面があります。「モーセの昇天」は正典には数えられませんでしたが、新約「ユダの手紙」の中にはこの内容が書かれており、少なくともユダはこの書簡を読んでいたことがわかります。それによるならば、モーセには殺人の罪があるとサタンは言い、モーセの身体は汚れていると訴えています。おそらくエジプト人を打ち殺したことを責めているのだと思われます(出2:12)。そのときにミカエルが言ったことばが「ユダの手紙」に書かれています。ミカエルは「悪魔と論じ、言い争ったとき、あえて相手をののしり、さばくようなことはせず、「主があなたを戒めてくださるように」と言いました(ユダ9)」と書かれています。モーセの遺体の処置はどうなったかは書かれていませんが、この後モーセはエリヤとともにイエス様の前に現れ、話し合っていることが書かれています(マタ17:3)。モーセは律法、エリヤは預言者の代表として神に引き上げられ、イエス様の時代になるまで天で待機していたのでしょう。