テトス2章 老人たちには

テトス2:2「老人たちには、自制し、謹厳で、慎み深くし、信仰と愛と忍耐とにおいて健全であるように」

パウロがテトスにアドバイスしたクレテ人をまとめるやり方として、老人、年をとった婦人たち(3)を最初に戒めるように言っています。それは「誰にも軽んじられてはいけません(15)」とあるように、ともすればテトスが若年のゆえに軽んじられる可能性があったからです。日本の社会でも年功序列とか、先輩、後輩という概念が支配的ですが、クレタ島でも同じだったのでしょう。もし、テトスの指導とおりに老年の男女が身をわきまえて、慎み深く行動するようになるなら、若い人たちに大きな影響力を与えるようになるとパウロは考えていたのだと思います。そして、テトス自身には「すべての点で自分自身が良いわざの模範となり、教えにおいては純正で、威厳を保ち、非難すべきところのない、健全なことばを用いなさい(7-8)」と言っています。テトス自身が模範とならなければクレテ人への牧会はできません。彼らはキリストの教えは聞いていても、その教えを基準にした生活を見ていないのですから、テトスの役割は重要です。それでも誰にも軽んじられないようにするには、相当な覚悟が必要だったと思います。テトスは神からの権威を持って、語り、勧め、戒めることを学ばなければなりませんでした。