士師記16章 また伸び始めた

士16:22「しかし、サムソンの頭の毛はそり落とされてから、また伸び始めた」

ペリシテ人はサムソンの髪の毛が伸びているのに切ろうとはしなかったのでしょうか。デリラがサムソンを自分の膝の上で寝かせたとき、髪の毛を剃りに来たのはひとりだけでした(19)。そのため髪の毛を剃るなら力がなくなることを知る者はデリラとこの髪を剃った者だけです。おそらく、ペリシテ人はサムソンを捕えたときに、うれしさのあまりその秘密はデリラに聞かなかったのではないでしょうか。また、デリラもサムソンが捕らえられた段階で任務終了で、その後聖書にはデリラの名前は出てきません。デリラは余計なことは話さず、サムソンが捕らえられたことで自分の里に帰って行ったと思われます。それでも坊主頭になったサムソンを見て、髪の毛が力のみなもとだと気づかなかったのはペリシテ人の落ち度です。目をえぐり出せばもう抵抗することもないだろうとたかをくくり(21)、髪の毛が伸びるのを放置していました。まさか髪の毛が伸びるなら、以前のように並外れた力を取り戻すとは誰も考えなかったのでしょう。ダゴンの神殿に集まった群衆の中にデリラはいたのでしょうか。それとも神には興味を示さず、もらった銀で余生をどこか送っていたのでしょうか。彼女はビジネスライクに任務を果たし、女スパイとして歴史に名を残す存在となりました。