士師記14章 主の霊が激しくサムソンの上に下った

士14:19「そのとき、主の霊が激しくサムソンの上に下った。彼はアシュケロンに下って行って、そこの住民三十人を打ち殺し、彼らからはぎ取って、なぞを明かした者たちにその晴れ着をやり、彼は怒りを燃やして、父の家へ帰った」
「主の霊が激しくサムソンの上に下った」という一節がなければ、暴力団がすることと大差ありません。しかし、ペリシテ人側にも落ち度はあります。謎が解けないとなると、サムソンの妻を恐喝し、卑怯な手で謎を解き明かそうとします(15)。2番目の妻デリラにしても、銀1000枚で夫を売るように持ちかけます(16:6)。ペリシテ人は、男はどんな汚い手を使っても相手を打ち負かそうとし、女は夫であろうと裏切る性質が垣間見えます。そういう乱暴な相手と戦うには、ある意味こちら側も常軌を逸脱したような存在でなければなりません。サムソンは確かに、異教の女に走り、無礼で粗雑で乱暴者でした。しかし、この時代にペリシテ人を打ち破るためにはこのような一風変わった戦士が必要だったのでしょう。デリラに裏切られたサムソンは目をえぐり取られ(16:21)、心の目で見るように訓練されます。あの乱暴な性格が抑え込まれ、主の霊が次に下るときには、最初のときよりもっと大きな力になっていました(16:30)。