1サムエル22章 ドエグがあそこにいたので

1サム22:22「ダビデはエブヤタルに言った。「私はあの日、エドム人ドエグがあそこにいたので、あれがきっとサウルに知らせると思っていた。私が、あなたの父の家の者全部の死を引き起こしたのだ」

この頃のダビデは逃げるのに必死で、周りの人のことを考える余裕がなかったのだと思います。サウルはエドム人ドエルを忠実な部下として命令しています(21:7)。アヒメレクはダビデに食糧を与え、剣を与えたことで殺されようとしますが、誰も彼に切りかかろうとはしませんでした(17)。それはサウルよりも主を恐れ、祭司を手にかけることなどできなかったからです。しかし、エドム人であるドエグは違います。彼にはイスラエルの神のことなどどうでもいいのです。王に告げ口をして、早く出世して偉くなり、人の上に立って支配したいというドエグは神を恐れることなど関係ありません。ドエグは無神論者の象徴です。そのドエグに命令するサウルの心には、やはり神を恐れる心が欠けていたように思えます。サウルはダビデを執拗に追いかけ、ドエグはサウルの命じるままに祭司を撃ち殺しています。無神論者のやることは現代でも同じです。無慈悲で領土を奪い、戦争をしかけ、その地にどれだけの女や子どもがいようとも関係ありません。たとえ、子どもの親が殺され孤児になろうとも上から命令する者の心には何の後悔もないのです。ただ自分だけが有利になり幸せになれば他人は関係ありません。ドエグのようにはなりたくないものです。