その名はドエグ

1サム21:7「その日、そこにはサウルのしもべのひとりが主の前に引き止められていた。その名はドエグといって、エドム人であり、サウルの牧者たちの中のつわものであった」
「引き止められていた」のヘブル語は「atsar(アトサー)」が使われており、「黙らせる」とか「とどまる」という意味もあります。のちにダビデはドエグをアヒメレクの場所で見かけたことを告白しています(22:22)。しかも、ダビデはドエグを見逃したことによってサウルに自分の居場所が知られることを予測していました。ダビデがドエグを捕らえて懲らしめた記録は聖書にありませんが、ドエグが主によって引き止められていたことは書かれています。ダビデ詩編の中でドエグについて「おまえは、善より も悪を、義を語るよりも偽りを愛している(詩52:3)」と言っています。さらに「私は、世々限りなく、神の恵みに拠り頼む(詩53:8)」とも語り、ドエグが自分の判断に酔いしれたのに対し、ダビデは主に信頼することを選択しています。結果的にはドエグは85人のレビ人を殺してしまいますが(22:18)、主のご計画があって引き止められていたドエグがサウルに密告したことにより、ダビデの信仰はもう一段階高いレベルまで引き上げられ、試されるようになるのです。