2サムエル記14章 王はアブシャロムに口づけした

2サム14:33「それで、ヨアブは王のところに行き、王に告げたので、王はアブシャロムを呼び寄せた。アブシャロムは王のところに来て、王の前で地にひれ伏して礼をした。王はアブシャロムに口づけした」
士師記の中にアビメレクというギデオンの息子がいました(士9:1)。彼はイスラエルを治めようとしてギデオンの70人の息子たちを殺しています(士9:5)。ヨアブがアビメレクのことを例に出して語っていますので(11:21)、アビメレクのことはイスラエルでは有名な話だったのだと思います。アブシャロムがアムノンを殺したとき、ダビデの息子が全員死んだのだと誤報が流れ(13:30)、ダビデはアビメレクの悲劇の再来かと心を騒がせたと思います。しかし、ダビデはアムノンの行為を聞いて激しく怒ったはずなのに(13:21)、アムノンに罰を与えたとは書かれていません。彼が何かしらの罰をアムノンに与えていれば、アブシャロムの怒りも鎮まったかもしれません。しかし、アブシャロムは周到に2年間チャンスをうかがっていました(13:23)。アブシャロムの性格は忍耐強く、簡単に心を騒がせたり、怒ったりはしません。それでもダビデに謁見するためにヨアブを頼ろうとしても無視されたとき、ヨアブの畑に火をつけたりしています(30)。我慢強いけれども、目的達成のためには手段を選ばない残忍な一面も持ち合わせています。彼はアムノンに復讐を果たし、さらにダビデとの和解まで強い心で果たしています。