2サムエル記19章 ヨアブに代わってこれからいつまでも

2サム19:13「またアマサにも言わなければならない。『あなたは、私の骨肉ではないか。もしあなたが、ヨアブに代わってこれからいつまでも、私の将軍にならないなら、神がこの私を幾重にも罰せられるように』」
アマサはアブシャロム側についたアブシャロム軍の将軍です。ヨアブとは遠い親戚にあたり(17:25)、おそらくそれなりに軍積を積んだ兵士だったと思われます。それゆえにダビデも自分の将軍になるように説得しています(13)。しかし、ヨアブはそのことを快く思っていなかったようです。ダビデの判断とヨアブの判断はよく食い違いを見せます。アブシャロムを生きたまま捕獲しようとして、ダビデはアビシャイとイタイに対して「若者アブシャロムに手を出すな(18:12)」と命じています。ところがヨアブはアブシャロムが木に引っかかっているのを知り、躊躇することなく彼の心臓を突き刺しています(18:14)。今回のアマサの召集にも、文句こそ言いませんでしたが、ヨアブが彼を完全に信頼してはいませんでした。それはアブシャロムがダビデ王に謁見に来た民をそそのかしたように(15:2-3)、自分の家来にも同じようにするかもしれないと考えたのでしょう。アマサはよろいを着ても、さやから剣が落ちるほど慣れていませんでした(10:8)。ヨアブはアマサに「兄弟、お前は元気か(20:9)」と言い、彼のもとに引きつけたとき、剣で下腹を突き刺し殺しています(20:10)。結局、アブシャロムについた者を信じるわけにはいかなかったのです。