エレミヤ46章 この者はだれか

エレ46:7「ナイル川のようにわき上がり、川々のように寄せては返すこの者はだれか」

この問いかけはエジプトがいかに強かったかを表わすものです。ネブカデネザルはエジプトを打ち破りましたが(2)、その預言の前にエジプトがすぐれた騎馬隊や騎兵を持っていたことが語られています(4)。しかし、バビロンはエジプトを上回る戦力でエジプトを打ち破るのです。「ノフ」と書かれているのはメンフィスのことです。2017年度訳では「ノフ」はすべてメンフィスに変えられています。また、「パロ」もファラオという記述に変わっています。メンフィスはエジプトの大都会で、そこがバビロンによって落とされることが預言されています(19)。エジプトの人々もまたバビロンに捕えられ連れていかれています(24)。それはバビロンの戦略でもあり政策でもあったようです。イスラエルと他民族が戦う場合、神は「聖絶」するように命じられそのようにしています(ヨシュ6:21など)。それは男も女も、若い者も年寄り、牛、羊、ろばに至るまですべてを殺してしまうものでした。そのような他民族の抹殺とも思える主の御意志に対し、バビロンは征服した国の民を連れて戻り、バビロンの土地に住まわせ、国民として取り込もうとする王の考えでした。