エゼキエル32章 アッシリヤとその全集団

エゼ32:22「その墓の回りには、アッシリヤとその全集団がいる。みな、刺し殺された者、剣に倒れた者たちである」
ユダ国はエジプトとアッシリアの中間に位置し、エジプトのパロ・ネコがアッシリアとの戦いに進撃したとき、ヨシヤ王がユダに攻めて来たと思い、迎え撃ちに行き殺されてしまいます(2王23:29)。以降、ユダ国はエジプトの傀儡国となりましたが、バビロンの支配がエジプトまで及ぶと、ユダ国はバビロンの傀儡国となります(2王24:7)。その後覇権はアッシリアからバビロンへと移行し、ユダを含むパレスチナからエジプトに至るまで占領を繰り返していました。史実としてはネブカデネザルがエジプトとシリアをめぐって争った記録があります(BC605年カルケミシュの戦い)。エゼキエルの預言のようにエジプトが完膚なきまで攻め取られることは、歴史書には書かれていません。しかし、エジプトが一時代を築き、強い国であったことは否定できません。ここではエジプトに対する哀歌だとあります。エジプトの行くところは地下の国だとされ(18)、そこにはかつて同じようにメソポタミアの覇者であった、アッシリアの全集団もいるのです。それはイスラエルやユダが他の神に仕え、堕落し、やがて滅びるようになることを見ても、神に対する恐れを持たなかった国々、すなわち「割礼を受けていない者(19)」の集まるところです。