読んでいるのはテオピロ

ルカ3:23「教えを始められたとき、イエスはおよそ三十歳で、人々からヨセフの子と思われていた。このヨセフは、ヘリの子、順次さかのぼって」
エス様が宣教を開始した年齢を記しているのはルカだけです。しかも「およそ」と書かれており、ひょっとしたら30歳に満たなかったのかもしれません。しかしレビ族のエリサベツの親類であるマリアを母に持つイエス様は祭司としての血統も持ち合わせており、30歳はレビ族の祭司として宮に仕える年齢でもあります。つまり30歳は偶然でなく、祭司としていけにえを捧げる奉仕の年齢に達したという、ルカなりの伝達方法だったようです。さらにルカは受胎告知も知り、イエス様がどういう経緯で生まれたかを知りながら「人々からヨセフの子と思われていた」と書いています。読んでいるテオピロには、もう十分にイエス様の不思議な誕生秘話と幼い頃からの言動を知らせておいて、なおかつ世間はいまだイエス様のことを知らずにいることを伝えているのです。しかし世間はまだイエス様を知らないかもしれないが、系図をたどるなら神の子アダムの末裔ですよ…と語り、本物のキリストを証明しているのです。