ドルカス

使9:39「そこでペテロは立って、いっしょに出かけた。ペテロが到着すると、彼らは屋上の間に案内した。やもめたちはみな泣きながら、彼のそばに来て、ドルカスがいっしょにいたころ作ってくれた下着や上着の数々を見せるのであった」
アメリカでは「ドルカス」の名のつく母子家庭や未亡人を支援する組織がいくつかあります。もちろんドルカスの名前はこの箇所から取られたものです。ペテロがヨッパに着いたときにはドルカスは亡くなっていましたが、ペテロを案内してくれたのはユダヤ人社会で最も立場の弱いやもめたちでした。このやもめたちは下着さえも買えないほど貧しかったのです。ドルカス自身もやもめに下着や上着を買え与えるほどの余裕はありませんでしが、自分のできる限りの努力をしてやもめたちに下着や上着を作ってやったのです。やもめたちがどれだけドルカスに感謝してしたことでしょう。ユダヤ人社会では見捨てられた存在にもかかわらず、ドルカスだけはやもめたちを見捨てず、サポートし続けたのです。ドルカスの直接の言葉や行ないは聖書に記されていませんが、彼女の良い評判(36)、そしてこのやもめたちの悲しみをペテロが見たときすべてを悟ったと思います。ペテロのしたことは、イエス様が会堂管理者ヤイロの娘に行なったのと同じものです(マコ5:40)。ペテロはドルカスはもう少し地上にいて奉仕をするべきだと判断したのでしょう。そして、その思いは主の御心と一致したのです。