使徒6章 ギリシヤ語を使うユダヤ人

使6:1「そのころ、弟子たちがふえるにつれて、ギリシヤ語を使うユダヤ人たちが、ヘブル語を使うユダヤ人たちに対して苦情を申し立てた。彼らのうちのやもめたちが、毎日の配給でなおざりにされていたからである」
人数が増えることに問題も増えていきます。初代教会でまず起きたことは、言葉の問題でした。考えてみればそれはごく自然のことで、言葉の通じる相手のみならず、ギリシャ語文化とヘブル語文化の違いが浮き彫りにされたのです。ヘブル語文化圏は、モーセの律法に基づいてやもめに対する態度が、どうしても後回しになってしまったのです。ギリシャ語を使うユダヤ人のやもめとは、ギリシャ人と結婚した女性たちで、夫と離別したか、キリストを信じるために信徒たちと行動を共にした可能性があります。このような関係の代表がテモテです。彼もまた、母ユダヤ人、父ギリシャ人という家庭環境にありました(16:1)。パウロはテモテを気に入り、自分の弟子として連れて行こうとしましたが、ユダヤ人に紹介するときにテモテが割礼を受けていないことが問題になると考え、彼に割礼を受けさせたのです(16:3)。初代教会ではユダヤ人が、まずキリストを信じるようになり、教会の重鎮12使徒は、全員ユダヤ人でした。福音が異邦人にも広がり、神の救いがユダヤ人だけではないと理解されるのはもう少し時間がかかるようです。12弟子たち提案で選ばれたのは、ピリポ以外ギリシャ語名を持つ人たちでした。