三十句

箴22:20「私はあなたのために、勧告と知識についての三十句を書いたではないか」
キングジェームスやNASBの訳では「30」という数字は書かれておらず、excellentという単語が使われています。これはヘブライ語の「shaliysh(シャリーシュ)」という言葉が、「卓越した」とか「主の」という意味以外に、「3番目」とか「楽器」とも訳せる汎用性の広い単語だからです。聖書で最も多く使われているのは「○○長」というリーダー格としてで、英語では「captain」となっています。「書いた」という原語「kathab(カターブ)」も、時制がはっきりしていなく、「書いた」「書く」「これから書く」といかようにも訳すことができます。もし「これから30の箴言を書こう」と訳すなら、22節から24章22節までに30の箴言が書かれており、「これらもまた、知恵ある者による(24:23)」という言葉の前で一区切りになっています。多くの聖書学者は、24章までの30の箴言のことをソロモンは言いたかったのだと考えています。また聖書を訳す人たちも、「shaliysh」という単語が3番目という意味があることに注目し、箴言の数を数え30の句が書かれていることに気づき、このように訳したのだと思います。ちなみにNIV訳では、30という数字を使って訳されています。30句は「真理のことばの確かさを教え、あなたを遣わした者に真理のことばを持ち帰らせるためである(21)」と目的が記され、箴言の中でも特に重要な内容がこれから語られることを示しています。