エコヌヤとエホヤキン

エレ37:1「ヨシヤの子ゼデキヤは、エホヤキムの子エコヌヤに代わって王となった。バビロンの王ネブカデレザルが彼をユダの国の王にしたのである」
エコヌヤはエホヤキンのことです。第1歴代誌とエステル記にはエコヌヤが使われ(1歴3:16、エステル2:6)、第2列王記と第2歴代誌ではエホヤキンが使われています(2王24:6,2歴36::8など)。エレミヤだけには両方が使われちょっと混乱します(エレ24:1、27:20、28:4、29:2がエコヌヤ、エレ52:31だけがエホヤキン)。またゼデキヤの名前もバビロン王から「マタヌヤ」という名前から変更させられた名前です(2王24:17)。この時代に名前をエジプトやバビロンなどの征服された国の言葉に合わせて、彼らの呼びやすい名前をつけられることがあったようです。エコヌヤの父エホヤキムも「エルヤキム」という名前からエジプトのパロ・ネコによってエホヤキムに変えられています(2王23:34,2歴36:4)。他にもダニエルにはペルシャ名「ベルテシャツァル」があり(ダニ1:7)、エステルのユダヤ名は「ハダサ」で(エス2:7)、捕囚されたユダヤ人たちが本来の名前以外の名前をつけられたのは珍しくありませんでした。ヘブライ語の名前には意味がありますが、そのような先祖伝来の名前さえ捕囚という異常な環境下では意味をなさず、彼らには理解できない名前で呼ばれてしまうのです。