地に隠したタラント

マタ25:25「私はこわくなり、出て行って、あなたの一タラントを地の中に隠しておきました。さあどうぞ、これがあなたの物です」
ルカにはタラントではなく「ミナ」を預ける話になっています(ルカ19章)。1ミナは100デナリで100日分の賃金に相当します。1タラントは60ミナでデナリ換算だと6000デナリ、つまり16年分の日当にあたります。5タラントも預かるなら一生分の賃金を手にしたことになり、遊んでも暮らせるほどの金額です。1タラントは少ないようですが、当時の貨幣価値を考えると大金だということがわかります。主人は財産を預けた理由や、どのように使うべきかを告げていません(15)。預かったのなら、その財産を大切に保管して、主人が帰ってきたときに欠くことなく返すのが筋というものです。そういう意味では、1タラントを預かった者が1タラントをそのまま返したのは悪いことではないように思えます。しかもその理由は「蒔かない所から刈り取り、散らさない所から集める(24)」…というもので、1タラントを少しでも欠くならば罰せられると思ったようです。主人は何もしなくても銀行に預けるという方法があっただろう…としもべを責めています(27)。土に埋めるのは死人を葬ることと同じ意味です。救われても一歩も前進しないようなら、イエス様から叱責を受けることになるのです。