カレアハの子ヨハナン

エレ40:15「カレアハの子ヨハナンは、ミツパでひそかにゲダルヤに話して言った。「では、私が行って、ネタヌヤの子イシュマエルを、だれにもわからないように、打ち殺しましょう。どうして、彼があなたを打ち殺し、あなたのもとに集められた全ユダヤ人が散らされ、ユダの残りの者が滅びてよいでしょうか」」
カレアハの子ヨハナンについてはエレミヤ書以外では第2列王記にわずかに名前が登場するだけで何者かはわかっていません(2王25:23)。ネタヌヤの子イシュマエルは「王族のひとり(41:1)」とあるので、ユダ族の血を継ぐ者であることがわかります。一方ゲダルヤは王の血筋ではありませんが、彼の祖父のシャファンはヨシヤ王の宗教改革のとき、律法の書を見つけそれを朗読した書記でした(2歴34:18)。またゲダルヤの父アヒカムはエホヤキム王のときにエレミヤをかばい命を救った人物です(エレ26:24)。ゲダルヤの祖父、父ともにユダ王国に仕え、ユダの中でゲダルヤが総督になるには十分な資格があるとバビロンの王は考えたようです(5)。それを王族のイシュマエルがこころよく思わず、ゲダルヤに変わって自分がユダsの総督になるべきだと考えたのは自然なことです。そんな不穏な空気をヨハナンは読み取りゲダルヤに忠告するわけですが、ゲダルヤは「偽り」だと決めつけ取り合おうとしません(16)。しかし、結果は次の章ですぐに現れます(41:2)。ゲダルヤのユダに対する忠誠があだとなってしまい、ユダは大切な人材を失うことになってしまいます。