イテロの薦め

出18:26「いつもは彼らが民をさばき、むずかしい事件はモーセのところに持って来たが、小さい事件は、みな彼ら自身でさばいた」
イスラエルの民をエジプトから脱出するために、モーセとアロンは預言者となり神のことばを取り次ぎ民に伝えていました。ところがいざ出エジプトが終わり荒野への旅が始まったなら、もうエジプト軍が追ってくることはなくなり、大きな変化はなくなっていました。それでもモーセは民から頼られ、「水が苦い(15章)」だの「肉が食べたい(16章)」の不平を直接モーセにぶつけていたのです。モーセはいわゆる「さばきつかさ」の仕事をするようになり、朝になると「さばきの座」が自然に設けられ、人々はモーセに相談しにやってくるのです(13)。それ を見たモーセの舅イテロは不思議がり、組織的に問題を解決するようにモーセに進言しました(19-22)。400年以上奴隷しかやったことのなかったイスラエル人に、系統だった組織を組み立てる知恵はありませんでした。これ以降イスラエルは部族ごとに数えられ(民1:18)、族長を決めて(民10章)、次第に国家を作る土台を備えていくようになります。モーセ以降は「さばきつかさ」そして「王」を必要とし、ダビデ、ソロモンの繁栄を迎えるのです。