十戒論争

出20:3「あなたには、わたしのほかに、ほかの神々があってはならない」
モーセ十戒の最初は「ほかの神々があってはならない」…から始まっています。これは申命記に書かれている十戒も同じです(申5:7)。同じ十戒でもプロテスタント出エジプトのものを使い、カトリック、ルーテルは申命記のものを使っています。このため十戒を並べ比べると若干の違いが生じています。最も大きな違いはカトリック系は偶像の禁止が省かれており、最後の「隣人のものを欲しがってはいけない(17)」が、「隣人の妻」と「隣人の財産」とに分かれている部分です(申5:21)。しかし、実際には申命記の中にも偶像ははっきりと禁止されており(申5:8)、また出エジプトにも「妻」や「奴隷」「牛」「ろば」を欲しがってはならないと書かれています(17)。どういう区切りで10の戒めを定めるかは意見の分かれるところですが、偶像崇拝の禁止を十戒に入れなかったのは大きな間違いだといえます。そのため、プロテスタントカトリック系の間では今でも論争があり、自分たちの主張する十戒が正当だとしています。しかし、実際にはお互いが十戒に納めなかった部分も、それぞれの書簡に書かれているのです。