謎の病気

レビ14:41「またその家の内側の回りを削り落とさせ、その削り落とした土は町の外の汚れた場所に捨てる」
イスラエル人はまだモーセの導きのもと荒野をさまよっているので、住むところは移動式のテントです。ところがこの命令はカナンに入った後、約束の地で家を持った時の話です(34)。家の壁を削り落とすのは「カビ」のたぐいの場合で、この病気は空気感染が考えられます。これはカナンに入ったらその病原菌がイスラエルの民を脅かすようになることを主があらかじめ予防しようとしたものだと思います。長い間日本語訳聖書では「らい病」と訳され、聖書を読む人やらい病患者に対して大きな誤解を招く状態が続いていました。「らい病」も最近ではその発見者の名前をとって「ハンセン病」と言うのが一般的で、その団体が日本聖書協会に「らい病」という表現を使わないように申し出たのが1996年です。そ の後新共同訳と口語訳では「重い皮膚病」と変更され、新改訳では2003年の第3版から「ツァラアト」という原文の発音に近い言葉を使うようになりました。らい病の訳の根拠になったのは英語訳「キングジェームス」が「leprosy」という訳を使ったからです。現在もツァラアトの正体はわかっていません。