ツァラアトに冒された

マタ8:2「すると、ツァラアトに冒された人がみもとに来て、ひれ伏して言った。「主よ。お心一つで、私をきよくしていただけます」」
現在では、聖書学者やクリスチャンを含め、一般社会人の間では聖書に書かれている「ツァラアト」は「ハンセン病」でないことが通説になっています。ツァラアト、ヘブル語「tsara'ath(ツァアラス)」は、70人訳「septuaginta(セプチュアジンタ)」のときにギリシャ語「repra(レプラ)」と訳され、ここら辺からツァラアトの誤解が始まったとされています。70人訳に訳されたときも、「ツァラアト」が何であるかは分からず訳されていたと思われます。当時はまだ「レプラ」は「ハンセン病」のことではなく、どこでどう間違えたのか英語の「leprosy(レプ ロシー)」の語源となり、「leprosy」はそのまま「ハンセン病」という意味になりました。その他の国の訳も英語に習うように「leprosy」としていました。しかし、レビ記13章やその他の箇所を注意深く読んでも、ハンセン病だと結論付けるには少し無理があります。ただ、祭司によって隔離され(レビ13:4)、自ら「汚れている」と叫んだりする(レビ13:45)なら、やはり感染力があり他の人には危険だという印象になります。現在でもツァラアトの正体は分かっていません。